国宝紹介>金色の中尊寺金色堂に葬られていた一族とは？

岩手県平泉にある「中尊寺金色堂」は、螺鈿と蒔絵で彩られた
黄金の建造物として、京都の金閣寺や秀吉の黄金の茶室とならんで、
たいへん有名です。
１１２４年に建造され創建当時のままの姿を今に伝えています。

金色堂内部に見られる数々の装飾は、あらゆる部分が螺鈿や蒔絵で
埋め尽くされ大変豪華で、見るものを圧倒させます。
この金色堂を建立したのは、奥州藤原氏の初代である藤原清衡です。
藤原清衡は、前半生を武力闘争についやし、その後は、
この「中尊寺金色堂」を建立し、ここにほうむられました。
この「中尊寺金色堂」は、阿弥陀如来をまつる阿弥陀堂であり、
建立者である藤原清衡の墓所でもあるのです。

藤原清衡は、子の基衡、孫の秀衡の三代が有名ですが、
彼らもこの「中尊寺金色堂」にほうむられています。
この清衡、基衡、秀衡の三人は、保存状態がよくミイラ化された
状態で発見されています。
また、昭和二五年の調査では、秀衡のそばに安置されていた首級は、
四代泰衡のものであることが判明しました。
そして、泰衡の首桶からは、８０粒ほどの蓮の種も見つかり、
平成１０年に開花に成功し「中尊寺ハス」として知られています。
この調査の際に見つかった副葬品は、数珠や鈴などもあり、
貴重な平安時代の史料です。