国宝紹介>高松塚古墳壁画女子群像は、何をする人？

昭和４７年に見つかった「高松塚古墳壁画」は、
当時のビッグニュースでした。
それは、この古墳の壁画が日本で現存する中、最も古い絵画に属し、
そこに描かれている古代の衣装を身にまとった人たちは、
それまでに発見されたことがなかったほどの写実美だったからです。
その壁画の色は、１３００年以上も前のものとは、
思えないぐらい美しく残っていました。

そこに描かれている女子群像は、教科書や各種メディアで
とても有名です。
では、この女子群像は、当時何をする人だったのでしょうか？
この人たちは、当時の権力者に仕える宮廷人で、この壁画では、
死後の世界における侍者として描かれています。
それでは、その他には、なにも描かれていなかったのでしょうか？
この女子群像は、保存状態がよかったため
一番多く世に公表されたのが、この女子群像だったのですが、
その他に男子群像を含め合計１６名もの男女や、
生き物などがこの壁画には、描かれています。
天井には、星宿と、四方の壁には、四神が描かれています。
星宿とは、古代中国における星座のことで、天文図であり
世界の縮図として描かれています。
そして、四神とは、天の四方をつかさどる神のことで、
青竜、朱雀、白虎、玄武のことで、東西南北に古くからの
しきたりによって描かれています。

しかし、残念なことに、平成１９年５月にカビに侵された壁画を
修復するために、高松塚古墳の石室は解体されました。
作業は、１０年はかかるとされ、現在も修復中です。