国宝紹介>三十六人家集の中で一番有名な重之集

京都本願寺に所蔵されている「三十六人家集」は、
有名な「重之集」をはじめ作成当初に作られた、
三二帖とその後に作られた五帖が、国宝に指定されています。
「三十六人家集」とは、平安中期に藤原公任が自ら優れた歌人三十六人を
選び、それぞれの歌集をまとめたものです。
「三十六人家集」を略して三十六人集とも呼ばれます。

その三十六人には、柿本人麻呂、大伴家持、紀貫之、在原業平、
小野小町などそうそうたるメンバーです。
その中でも特に有名なのが、「重之集」といわれるもので、
旅の歌を得意とした歌人の源重之の歌のものです。
「重之集」は、とてもインパクトがあるデザインが特長です。
画面の中央に茶色の紙に書かれた舟の絵を配し、舟の周りには、
葦が描かれています。
その茶色の周りに白い唐紙が囲み、その中に波の絵が描かれています。
また、波の周りを注意深く見ると、水辺の鳥や島が細かく描かれている
繊細さです。
舟の周りに直接波を配するのではなく、葦を描いたさらにその周りに、
紙を違えて波を描いていて、その白い紙も破き方がとても大胆です。
このような発想は、あまり見られないもので、とても凝った印象を
受けます。

和歌を書き付ける紙一枚に、手間と工夫を盛り込む、平安貴族の美意識の高さを感じさせます。

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