国宝紹介>北野天神縁起絵巻承久本の主人公は、有名な菅原道真

「北野天神縁起絵巻承久本」は、「天神様」で有名な菅原道真に関する事柄を描いている絵巻物です。この絵巻物の特長として画面の大きさが上げられます。

たてが、五二センチもあり、通常横につかう紙をたてにつないでいます。
そのため中盤の雷神が御所を襲うシーンなどは、
とてもダイナミックな印象を受けます。
主人公の菅原道真は、学問にも政治にも長けた当代きってのエリートです。
しかし、ライバルの左大臣、藤原時平に無実の罪をきせられ、
大宰府に左遷され、没します。

その後、藤原時平の一族は、次々と亡くなったり、御所に雷が落ちて
死者がでたり、不幸が相次ぎました。
人々は、菅原道真の怨霊を鎮めるため、北野天満宮を建立しました。
現在では、このようなことは偶然の出来事と考えますが、
当時は、このような災害は、恨みを残して死んだ人の祟りだと
考えられていたのです。
今では、は、「天神様」として奉られ、学問の神、和歌の神、
冤罪を救う神とあがめられているのは、説明するまでもありません。