国宝紹介>日本最古の仏像、釈迦三尊像

「釈迦三尊像」は、日本最古の仏像といわれています。
皆さんも教科書の始めの方に載っていたこの仏像のことを、
記憶されているのではありませんか？
この「釈迦三尊像」は、作られたいきさつがはっきりとわかっている
珍しい仏像です。
そのいきさつは、仏像の光背の裏面に記されています。
それによりますと、聖徳太子の母・間人皇后が亡くなった翌年、
聖徳太子とその妃・膳部菩岐々美郎女が病に倒れ、
その病気回復を祈った人々が、太子と同じ大きさの釈迦如来像を
作ったと記しています。

結局、その年のうちに太子と妃は亡くなってしまいましたが、
仏像は、翌年に完成しました。
作者は、止利仏師といわれている鞍などの馬具をつくる一族出身だった
といわれています。
なぜ、馬具と仏像が関係しているのかというと、馬具を作る工程や技術が、
仏像つくりに共通しているからです。

「釈迦三尊像」は、四角い頭部や、アーモンド形の切れ長の眼などに、
飛鳥時代の仏像の特徴がよく表れています。
正面から見られることを意識して作られていて、裏側の処理が
されていません。
正面から見ると、全体がほぼ左右対称に作られていて安定感があり、
襟を大きく盛り上げたりして、立体感と奥行きが感じられる工夫が
されています。
「釈迦三尊像」は、当時黄金色に輝いてとても華麗なものでした。
そのことは、向かって左側の脇待にうっすらと面影が、残っています。
奈良・法隆寺に収蔵されています。