国宝紹介>千利休作、待庵の工夫

千利休が作ったといわれる、現存する唯一の茶室「待庵」。
掛軸などを飾る床の間が別についていますが、畳2畳しかないスペースは、主人と客がすわると極小の空間と思わずにいられません。
そんな極小の空間に千利休と豊臣秀吉が、ひざを付き合わせ座っていた
とは、とてもユニークな風情です。

この「待庵」ですが、その狭さを和らげる工夫が、
利休によって施されています。
まず、天井に勾配をつけることによって、立体的な広がりを
生み出しています。
それから、部屋の隅の一部を土で塗って丸みをつけ、
奥行きを持たせる工夫をしています。
その他の工夫として、この茶室の室内に入る光を演出し、
客を主人の手元に集中させるようにしています。
そして、もっとも有名なのが、茶室の出入り口のにじり口で、
客に非日常の世界へ入る意識を持たせます。
身をかがめて入ることで、謙虚な気持ちにさせます。

千利休は、わび茶のスタイルを作り出しました。
わびとは、自然で素朴、簡素な中に美を求める美意識のことです。
その価値観は、不完全なものに美を見ることで、
茶碗にひびが入っていたり、茶杓に節があったり形がゆがんでいたり
します。
千利休は、わび茶のスタイルを茶室から道具まで、徹底させています。

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