国宝紹介>歴史の節目に立ち会った、二条城二の丸御殿

「二条城」が、徳川家康により創建されたのは、１６０３年のことでした。
頃は、天下分け目の関が原の合戦が終わって３年、大坂冬の陣、
夏の陣の前になります。
天下の流れは徳川家にあり、将軍上洛の際の宿舎と京都の警備を
目的として建てられました。
合戦目的ではなく、当時の徳川権力の証として周囲にアピールするために
建てられた城でした。

後に、三代将軍家光は、御水尾天皇を迎えるための大拡張工事の際に
豊臣秀吉が後陽成天皇を迎えた聚楽第行楽をしのぐため、
豊かな資金源を使い、本丸と天守閣からなる豪華な城へと改装しました。
現在は、大規模な城郭書院としては、「二条城二の丸御殿」は、
唯一のものとなっています。

しかし、「二条城二の丸御殿」は家光が１６３４年に上洛したのを最後に
２００年あまり使用されることはありませんでした。
ですから、当時の面影を「二条城二の丸御殿」は、再現しているとも
いえます。
２００年後、徳川慶喜の大政奉還宣言をこの「二条城二の丸御殿」で
行われたことは、有名です。
徳川家の栄華と最後の花道に登場するのが、この「二条城二の丸御殿」と
なります。
この「二条城二の丸御殿」の障壁画を担当したのが、
狩野永徳の孫探幽を中心にした、有名な狩野派一派になります。
約１０００面もの障壁画を２５歳の探幽の指揮の下、作り上げたのでした。